中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 36 巻
1996-03-11 発行

高等学校の総合理科における課題研究 : 生物分野を中心として

白神 聖也
全文
377 KB
KJ00000117858.pdf
内容記述
1994年度からの理科においては,特に探究活動や課題研究が重視されることになった。そこで1994年度の当校の総合理科では化学・生物分野を学習させた後,全員に課題研究を行わせた。生徒が行った課題研究のテーマは,アルコール発酵,ヨーグルトや納豆の作成,ペーパークロマトグラフィー,洗剤の中の酵素などである。事後アンケートの結果,課題研究の良さは内容の理解を深めたり,生徒の自主的探究活動や考察力を深めたり,成就感を感じさせられることであることがわかった。反面,生徒は実験準備や実験方法,レポートのまとめ方などに困り,時間不足や実験の失敗に陥った。今後の課題研究実施上の課題として,(1)十分な時間を確保すること(2)違う実験に取り組む各グループへ適切な助言をする必要があること(3)十分な実験材料や器具の準備が必要であること(4)課題研究の評価の工夫が必要であること,などがあげられる。