本校の水泳指導は,他の運動領域と同じく中・高一貫教育の中で実践し,1~5年では近代泳法を学習させ,6年生には,総合学習として横泳ぎと救助法を指導して来た。しかし,水難事故による死者及び行方不明者の報道の多さと死者及び行方不明者の多くが着衣しての事故であるという事実から,1992年度に「着衣して泳ぐことの大切さを学習させる実験授業」の実践を試みた。結果としては,ほとんどの生徒に『着衣泳』の経験がなかったが,興味と関心を持って取り組み,貴重な経験になったと答えている。また,『着衣泳』を体験して6割弱の生徒は自分の命を守れると考え,4割強の生徒が改めて水難事故の怖さを理解したようである。この実践によって,次年度からは全校生徒に着衣しての泳ぎがいかに難しいかを体験させて,水難事故の怖さと自分の命を守る方法を考えさせるとともに,水難事故における救助時の問題点も理解させたい。