日本の自然保護区では,地域の自然資源管理をめぐって多くの利害関係者(ステークホルダー)が存在する。そのため,さまざまな主体が関与し協働しながら管理していく必要性が指摘されている。本稿では,自然保護区における「コア施設」という存在に注目した。山陰中央地域を事例に,「コア施設」の活用実態とその場に関わる各ステークホルダーとの関係を明らかにし,コア施設が果たす役割について考察した。「コア施設」に求められる役割として,「保全・保護」「普及・教育」「地域振興・観光」の3 つの働きがあることがわかった。これらの働きは地域の6 つのタイプのステークホルダーとの関係のもとで果たされていた。