水泳トレーニングが有酸素性作業能に及ぼす影響について検討するためには, 大学生男子水泳部員を対象に自転車エルゴメーターで漸増負荷法により, 最大換気量(V̇E), 最大心拍数(HRmax), 最大酸素摂取量(V̇O2max), 体重当たり最大酸素摂取量(V̇O2max/w)を測定し, 以下の様な結果を得た。
1) 各学年間における身長, 体重, 胸囲, BMIなど, 形態面には顕著な差異は認められなかった。
2) 最大換気量は, 1年で72.0l/min, 2年83.1l/min, 3年92.9l/min, 4年81.0l/min, で3年が顕著に高値を示した。
3) 最大酸素摂取量および体重当たり最大酸素摂取量は, 1年2.44l/min, 40.0ml/kg/min, 2年2.72l/min, 41.3ml/kg/min, 3年3.19l/min, 51.2ml/kg/min, 4年で2.69l/min, 41.7ml/kg/minであり, 何れも3年で最も高い値が認められた。なお, これらの値を日本のトップレベルにある水泳選手と比較すると, かなり低い値であった。
4) exhaustion timeは, 1年に比べ3年がやや長かった。
5) exhaustion以後の回復過程を心拍数について検討した結果, 1, 3年とも回復の経過は, ほぼ同様の傾向を取ってはいるが, 1年が3年よりも高い心拍数で推移した。