The Hierarchy of the Saṅgha in Medieval Sri Lanka

比較論理学研究 19 号 199-209 頁 2022-03-25 発行
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ファイル情報(添付)
タイトル ( eng )
The Hierarchy of the Saṅgha in Medieval Sri Lanka
タイトル ( jpn )
中世スリランカにおけるサンガの階級制度
作成者
VEN UDAYAGIRIYE DHAMMASIRI THERO
収録物名
比較論理学研究
The Annals of the Research Project Center for the Comparative Study of Logic
19
開始ページ 199
終了ページ 209
収録物識別子
[PISSN] 1880-6376
[NCID] AA12025285
抄録
ティカーワタは、比丘の生活と寺院管理を統括する、王権により制定された条例である。それはまた、スリランカのポロンナルワ時代からキャンディ時代までのサンガの階級制度について、貴重な情報を提供している。紀元前三世紀のマヒンダ長老の来島で始まったスリランカのサンガの社会は、時代とともに様々な役割が付与されるようになった。特にサンガの階級については、国王がそれを望み、サンガの最高階級は王権と共同で任命されていた。
本論文では、スリランカのポロンナルワ時代からキャンディ時代までのカティカーワタをもとに、サンガの階級制度を明示する。それによって、比丘たちがどのような役割を果たす者であったかが、比丘たちに振り分けられた役職から読み取れよう。比丘たちの階級制度は、元々インドの仏教にも、スリランカ仏教にも見られなかったものであるが、仏教と比丘たちが全国に広まったことにより、比丘たちと寺院の管理に比丘たちの中からそれぞれの役職を作る必要が生じたと考えられる。一方、仏教を保護することは王権の責務の一つとなるが、そうであっても、世俗の王権にはサンガに命令する権利が元々なかった。そこで、年齢や経験によって主な長老比丘たちと国王が共同してサンガに階級的な組織を作り、王権が仏教を保護する一方、同時にサンガの管理・支配をもしてきたと考えられる。各時代ごとのカティカーワタに見られるサンガの階級制度の変遷は、王権と仏教の関係の変遷をも示すことになる。王権と比丘サンガの共同作業により、比丘たちが自ら管理できるように定められたカティカーワタが、戒律で定められた比丘たちの活動を外護する仕組みになっているといえよう。
内容記述
広島大学比較論理学プロジェクト研究センター研究成果報告書(2021年度)
言語
英語
資源タイプ 紀要論文
出版者
広島大学比較論理学プロジェクト研究センター
発行日 2022-03-25
出版タイプ Version of Record(出版社版。早期公開を含む)
アクセス権 オープンアクセス
収録物識別子
[ISSN] 1880-6376
[NCID] AA12025285