文学作品における読みの探求 : 「形」(菊池寛)の場合

中等教育研究紀要 62 号 116-108 頁 2016-03-31 発行
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タイトル ( jpn )
文学作品における読みの探求 : 「形」(菊池寛)の場合
タイトル ( eng )
Exploring Reading with Literature : A Case Study of Reading Katachi by Kikuchi Kan
作成者
収録物名
中等教育研究紀要
Bulletin of theory and practice in secondary education
62
開始ページ 116
終了ページ 108
収録物識別子
[PISSN] 1349-7782
[NCID] AA12025729
抄録
「形」(菊池寛)は、中学校の教材として魅力的なものである。百年近く経っている小説であるにも関わらず、中学生には読む上で敷居が高くない。より深い読みのための方策として、明らかになった点を次にあげる。

原典である「常山紀談」との比較や、作者が伝えたかったことは何かという大きなテーマをペアやグループで話し合い、全体に発表する授業展開を取り入れた結果、グループ内で活発な議論がなされた上、質問カードの実施・交換により、さらに深い読みに通じていくものとなった。資料の作成においても、できるだけ簡単な一文でまとめさせ、わかりやすく、根拠のある説明がなされているかに気をつけさせた。その結果、曖昧なまとめ方をして資料を作成しているグループは、矛盾した点が指摘され、事前の資料作成に必要なことが認識された。

また、話し合いのテーマが「作者が伝えたかったこと」であったため、形の諸相がいろいろと出て、各グループの意見がすべて活かせたことが利点となった。教材の特質もあろうが、あまりテーマが一つに固定されてしまっては意見の相違がない。少しずつ違う意見が出る上、それをまとめていけば抽象化できる。
Katachi by Kikuchi Kan is an attractive teaching material for junior high school students. A comparison of book reports by junior high school students written 8 years ago with those written this year revealed that students read this novel comfortably, without feeling awkward, even though it was written 100 years ago. In this lesson, I conducted several classroom activities such as a comparison with the original text Jouzankidan, group discussions on the author’s messages, and presentation of their interpretations. The students were engaged in an active discussion by exchanging question cards, which led them to deeper understanding of the text. In preparing presentations, the students were required to make it as simple as possible and provide enough evidence for their ideas. Ambiguous and inconsistent statements were pointed out while they were exchanging question cards, and this led to more careful reading.
NDC分類
教育 [ 370 ]
言語
日本語
資源タイプ 紀要論文
出版者
広島大学附属中・高等学校
発行日 2016-03-31
出版タイプ Version of Record(出版社版。早期公開を含む)
アクセス権 オープンアクセス
収録物識別子
[ISSN] 1349-7782
[NCID] AA12025729