Candida albicansの二形性とその脂質構成並びに脂質代謝に関する研究
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File |
diss_ko586.pdf
3.12 MB
種類 :
fulltext
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Title ( jpn ) |
Candida albicansの二形性とその脂質構成並びに脂質代謝に関する研究
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Creator |
Sadamori Shinsuke
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Abstract |
義歯性口内炎患者のデンチャープラーク中には、多数の真菌が認められることから、これら真菌が衰症の原因菌の一つとされている。このようなデンチャープラーク中の真菌には、Candida属が高頻度に検出され、中でもCandida albicansの検出率が著しく高いことが知られている。本真菌は、酵母(Y)型並びにフィラメント(F)型の二つの形態をとる二形性真菌であり、種々の因子によりその形態が変化することが、古くから知られている。しかし、その詳細な機構については未だ不明な点が多い。著者は、C.albicansが培地中のビオテン濃度により形態変化を受ける事実に着目し、本菌の二形性と脂質代謝との間に、なんらかの関連性があるのではないかとの作業仮設のもとに、以下の実験を行った。
本研究は、Candida albicans A IFO 1385株を用いて行った。使用培地は、サブローグルコース培地(2% グルコース、1% ペプトン、 0.5% イーストエキス)(medium A)並びにメチオニン含有合成培地(medium B)である。培養温度は、それぞれY型薗並びにF型菌を得るために、25℃並びに37℃にて行い、各条件において対数増殖期後期に達した菌体を集菌して試料とした。集菌した菌体は、Zymolyase-60000にて細胞壁を溶解した後、Bligh & Dyerの方法に準じて脂質を抽出し、絵脂質両分とした。 脂質分析は、リン脂質、不ケン化脂質並びに脂肪酸について行った。リン脂質は、Fiske & Subbarowの方法に従い、総脂質の総無機リン量として求めた。不ケン化脂質は、絵脂質を尭アルカリにてケン化後抽出し、ガスクロマトグラブ(GLC)にて定性並びに定量分析を行った。脂肪酸は、三フッ化ホウ素メタノール溶液にて直接メチル基転移を行い、GLCにて定性並びに定量分析を行った。尚、含量は、DNA当りで算出した。更に、放射性酢酸のステロール並びに脂肪酸への取り込みを経時的に追跡し、これらの実験より以下の結果を得た。 1)DNA当りのリン脂質、エルゴステロール及び各脂肪酸含量は、 F型菌の方がY型菌より多かった。 2)エルゴステロール生合成の中間体であるスクアレンは、Y型菌と比較してF型菌において著しく多く含まれていた。 3)各脂肪酸の構成比率は両型において異なり、Y型菌と比較してF型菌では、パルミテン酸並びにパルミトレイン酸のような炭素鎖の短い脂肪酸の構成比が高かった。 4)ステロール代謝を検討したところ、培養初期では、相互に分離しない中間体が多くみられ、時間の経過とともにエルゴステロールが増加していくことが認められ、両型菌の間には著しい相違は見られなかった。 5)脂肪酸代謝に関して、両型菌とも時間の経過とともにパルミテン酸からオレイン酸への伸長が認められたが、 F型菌ではY型菌に比し炭素鎖の檀い脂肪酸への取り込みが高かった。 以上の結果より、C.albicansのF型菌は、Y型菌に比して脂質がより多く含まれるのみならず、C16:0並びにC16:1のような脂肪酸合成系の最初の産物、あるいはそれに近い脂肪酸が、圧倒的に多く含まれていることがわかった。これらの事実は、F型菌において脂肪酸需要が高いため、これらの脂肪酸が供給にまわされ、Y型菌のように十分な伸長が行われないことを示唆するものと考えられ、放射性酢酸の脂肪酸への取り込み実験からも確認された。以上、C.albicansのF型菌とY型菌との間には、その脂質代謝に顕著な差があり、F型菌においては脂質合成が著しく先進していることが明らかとなった。 |
NDC |
Medical sciences [ 490 ]
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Language |
jpn
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Resource Type | doctoral thesis |
Rights |
Copyright(c) by Author
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Access Rights | open access |
Dissertation Number | 甲第586号 |
Degree Name | |
Date of Granted | 1986-03-25 |
Degree Grantors |
広島大学
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