中国語を母語とする日本語学習者による 正順・かき混ぜ語順の能動文と可能文の理解

日本語文法 Volume 5 Issue 2 Page 92-109 published_at 2005
アクセス数 : 1287
ダウンロード数 : 411

今月のアクセス数 : 2
今月のダウンロード数 : 5
File
nihongo-bunpo_5_2_92-109_2005.pdf 1.42 MB 種類 : fulltext
Title ( jpn )
中国語を母語とする日本語学習者による 正順・かき混ぜ語順の能動文と可能文の理解
Title ( eng )
Comprehension of Japanese active and potential sentences with canonical and scrambled word orders by native Chinese speakers learning the Japanese language
Creator
Tamaoka Katsuo
Source Title
日本語文法
Volume 5
Issue 2
Start Page 92
End Page 109
Abstract
本研究は,中国語を母語とする日本語学習者が,正順とかき混ぜ語順の能動文と可能文をどのように理解しているかを,文正誤判断課題による反応時間と正答率で検討した。まず,文法テストを87名の日本語学習者に行い,91.7%以上の得点を得た24名を被験者として選択した。実験1では,能動文の正順語順の方がかき混ぜ語順よりも速く,また正確に理解していることが観察された。この結果は,日本語母語話者と同じように,中国語を母語とする日本語学習者も,能動文の基底構造である[s NP-ga [vp NP-o V]]を構築して,かき混ぜ語順については空所補充解析による文理解を行っていることを示唆している。さらに実験2では,格助詞情報で統語構造を組み立てようとすると,主語・目的語の文法関係と食い違ってしまい,文の意味が理解できなくなるような可能文の正順とかき混ぜ語順を比較した(例えば,「高志にギリシャ文字が書けるだろうか」,[s NP-ni [vp NP-ga V]])。その結果,可能文の正順とかき混ぜ語順の理解時間に違いはなく,スクランブル効果が観察されなかった。したがって,可能文の正順の基底構造が確立されておらず,空所補充解析は行われていないと思われる。
Keywords
中国語を母語とする日本語学習者
基底構造
空所補充解析
スクランブル効果
語順
Native Chinese speakers learning Japanese
base structure
gap-filling parsing
scrambling effects
word order
NDC
Japanese [ 810 ]
Chinese [ 820 ]
Language
jpn
Resource Type journal article
Publisher
日本語文法学会
Date of Issued 2005
Rights
Copyright (c) 2005 日本語文法学会
Publish Type Version of Record
Access Rights open access
Source Identifier
[ISSN] 1346-8057