羊水検査をめぐる意思決定に関連する要因の文献的考察
広島大学保健学ジャーナル 1 巻 1 号
29-34 頁
2001 発行
アクセス数 : 1588 件
ダウンロード数 : 2246 件
今月のアクセス数 : 5 件
今月のダウンロード数 : 6 件
この文献の参照には次のURLをご利用ください : https://doi.org/10.15027/211
ファイル情報(添付) |
Hirodai-Hokengaku-J_1-1_29-34_2001.pdf
31.7 KB
種類 :
全文
|
タイトル ( jpn ) |
羊水検査をめぐる意思決定に関連する要因の文献的考察
|
タイトル ( eng ) |
Related factors on decision-making of genetic amniocentesis
|
作成者 |
大山 由紀
|
収録物名 |
広島大学保健学ジャーナル
Journal of health sciences, Hiroshima University
|
巻 | 1 |
号 | 1 |
開始ページ | 29 |
終了ページ | 34 |
抄録 |
羊水検査は,出生前に胎児の健康状態を診断することを目的とする出生前診断の一つである.本稿では,羊水検査をめぐる意思決定に関連する要因について国内外の33文献を検討し,意思決定を支えるケアを発展させるうえでの課題を探索した.その結果,次のことが明らかになった.1)意思決定に関連する要因は,身体的,心理的,社会的側面から分類することができ,各々には次のカテゴリーが含まれた:身体的要因は高齢妊娠・染色体異常児の出産既往・その他の検査所見;心理的要因は不安・障害に対する不幸感;社会的要因の中の人的要因は夫や家族・医療者.2)羊水検査をめぐる妊婦の意思決定を支えるケアを発展させるうえでの課題として,次の3点を確認することができた.(1)当該妊婦が,妊娠している可能性のある染色体異常児の種類やその確率,所見などから予測できる具体的な障害の程度を把握したうえで,妊婦や家族が,染色体異常以外の先天異常や,障害というもの全般と混同しないような説明を行う必要があると考えられた.(2)妊婦や家族が,染色体異常を正しく理解したうえで,妊娠中の当該胎児に対して抱く不安や不幸感,羊水検査をめぐって家族間で生じる意見の衝突や葛藤を受けとめ,妊婦や家族の間に衝突が予測される場合には,調整を行う必要があると考えられた.(3) 医療者は,医療者自身の価値観だけにとらわれず,中立的で非指示的な態度をもって,妊婦や家族に対して情報提供を行うとともに,妊婦や家族の意思を尊重した援助を行う必要があると考えられた.
|
著者キーワード |
羊水検査
意思決定
genetic amniocentesis
decision-making
|
言語 |
日本語
|
資源タイプ | 紀要論文 |
出版者 |
広島大学大学院保健学研究科
|
発行日 | 2001 |
出版タイプ | Version of Record(出版社版。早期公開を含む) |
アクセス権 | オープンアクセス |
収録物識別子 |
[ISSN] 1347-7323
[NCID] AA11601063
|