我々が意志伝達をする場合に誤解や思い違いが起る場合がある。その大部分は言語行為者の責任であって,彼らの不注意,無知などにその原因が帰されるべきであるが,時にはその責任は行為者にはなく,原因はむしろ,その使用されている言語の機能自身に内在している場合がある。例えば,言語形式の中には二つ,あるいはそれ以上の意味に解釈され,分析されることが可能な場合がある。その場合聞き手(あるいは読者)は,話し手(あるいは著者)が意図していた概念とは異なった意味にその言語形式を解釈することがあり得るのである。実はこの言語形式の意味的二重性,あいまいさを逆手にとって,古くから多くのコミカルな作品, ジョーク等が書かれてきている。本稿では,これらがどのようなものであったかを英語について分析し,論じたいと思う。