多周波数生体電気インピーダンス(BI)法による日本成人の身体組成の標準値を設定する目的で, 体脂肪率(0.000000AT)および体水分量(TBW), 細胞外液量(ECW), 細胞内液量(ICW)の年代間の比較検討を行った。調査に同意の得られた18~84歳の日本成人2,034名(男性1,022名, 女性1,012名)を対象に, 多周波数インピーダンス機器(積水化学工業社MLT-100)により身体組成を測定した。%FATとBMI(body mass index)の相関はすべての年代群で有意に高くなった。BMI=22kg/m^2(22×体重/身長^2)に相当する%FAT値は, 男性21.2%, 女性32.4%となった。男性の%FAT判定の標準範囲は, 10および20歳代で13.8~22.4%, 30~70歳代以上で22.7~30.1%であり, 肥満値は, 10および20歳代で25.1%以上, 30~70歳代以上で32.2%以上であった。女性の標準範囲は, 10~40歳代で23.1~31.6%, 50~70歳代以上で31.1~39.6%であり, 肥満値は, 10~40歳代で33.9%以上, 50~70歳代以上で41.4%以上であった。%TBW平均値およびICW/TBW平均値は, 男女とも加齢に伴い減少し, ECW/TBW平均値は男女とも加齢に伴い増加した。本研究では, 多周波数BI法による%FATの年齢別の標準値を示した。また, 体脂肪および体水分は, 加齢に伴い変化することが示唆された。