本研究の目的は,「初心者レベル」看護師用のICU 看護基礎知識評価試験案を作成し,各問題項目の項目特性を確認して,最終試案作成に向けた示唆を得ることである.先行研究による知見を基に試験案を作成し,看護師等養成所の最終学年生113 名,第1学年生48 名の協力を得て,連結可能匿名化によるパイロットテストを国試前後に実施した.古典的テスト理論に基づく項目分析の結果,テスト理論上の適合項目は国試前54 項目,国試後74 項目だった.このうち国試前・後で一致したテスト理論上の適合項目は52 項目,救済項目は3項目,再検討項目は1項目だった.国試前・後で一致した項目困難度が0.85 以上の問題は,ICU 看護において基本的で重要な問題だった.同様に,項目困難度が0.25 未満の問題は,術後管理と人工呼吸器による呼吸管理に関するICU 看護において重要な内容だった.これらの問題は,修正・削除候補と判断できるが,統計的な項目特性に限らず,内容面に立ち入った検討が課題となった.