広島大学東広島キャンパス内の生物相調査の一環として,赤外線センサーカメラによる哺乳類の調査を行った。キャンパス内の二次林内の獣道にカメラを設置し,2011年12月から2012年8月までの期間,継続して自動撮影を行った。撮影された哺乳類は,ニホンテン,キツネ,ノネズミ,ノイヌであったが,このうちニホンテンがもっとも高頻度に撮影された。テンが撮影された時間帯は21時以降の夜間に集中していたが,日の出後の早朝に活動する場合も認められた。季節的には冬から春に頻繁に撮影されたが,7月になっても低頻度ながら撮影された。毛色は3月から5月の間に冬毛から夏毛へ変化した。本調査により,ニホンテンがキャンパス内の山林を冬夏通じて利用していることが明らかになった。