ブッポウソウとカンムリウミスズメの保護活動を支援する環境事業として野鳥観察を中心としたエコツアーが広島県内で行われている。本稿では,広島市民を対象としたWEB アンケート調査と,ツアー参加者を対象とした,参加動機や評価に関するアンケート調査の結果を報告する。前者からは,鳥の知名度の低さにもかかわらず,1/4程度の回答者がツアーへの関心を示すとともに,野鳥保護や環境教育の効果を認めていることなどが明らかになった。後者からは,参加者が,いわゆる「マニア」層が中心となっていることを確認するとともに,ツアーの評価が,一般向けアンケートで重視される以上に,対象とした鳥を見られたかどうかに左右されることがわかった。今後,ツアー内容の充実や集客方法(宣伝方法)の検討が課題となる。