愛知県にある小河川の河口域で養殖種苗用に採集されたウナギAnguilla japonicaのシラスにアタマヒルHemiclepsis marginataの寄生を認めた。本事例は日本産ウナギからアタマヒルとヒル類が採集された1例目と2例目にあたり, ウナギはアタマヒルの新宿主である。寄生率は3.3%, 寄生数は1個体であった(検査尾数60尾)。寄生を受けたシラスの体表には寄生していた部位に出血が認められた。これまでアタマヒルは淡水産とされてきたが, シラスへの寄生が汽水域で起きたと考えられるため, アタマヒルが汽水域にも生息することが示唆された。採集個体に基づいて, 生時の体色を含むアタマヒルの外部形態を記載した。