広島大学マネジメント研究 19 号
2018-03-23 発行

ホーチミン市における日本語学習者の就業意識

Employment awareness of Japanese learners in Ho Chi Minh City
全文
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HUMR_19_3.pdf
Abstract
ベトナムのホーチミン市における日本語学習者の価値観と就業意識について,アンケート調査と聞き取り調査にもとづいて検討した。調査対象者は持続的な経済成長を受けて生活水準が向上しライフスタイルも変化している都市部の高学歴層である。彼らの多くはオフィスワーカーとして日系企業への勤務を希望しており,輸出のための製造拠点から流通やサービスへ活動領域を拡げている現地日系企業のマネジメントの担い手として期待されている。
調査から得た主な結果は以下のとおりである。高度経済成長を経験しているがベトナム人の価値観は基本的に変化していない。しかし,15年前に比べると中庸さが加わってきている。給与水準やスキルアップの機会を重視して会社の規模や知名度には拘らないという基本的な仕事観は,年齢や学歴を問わず共通している。日本語能力が高い,日系企業に勤務経験がある,など日系企業に関する情報を多く持つ人は,勤務先としての日系企業への選好度がかえって低くなる傾向が見られる。日本型人的資源管理要素については概ね受容する傾向にあるが,評価と報酬についてはベトナム人の意識に合わせたシステムが必要である。
内容記述
本稿は,広島大学東南アジア人材開発プロジェクト研究センターにおける奥居正樹・宮脇克也・山本公平の各氏,および,ベトナム国家大学ホーチミン市校人文社会科学大学日本学部のLuc 教授・Hien 教授・Huong 教授・Thoa 講師との共同研究による成果の一部である。また,本プロジェクト研究は,株式会社にしき堂からの研究助成を受けて進められたものである。
著者キーワード
ベトナム人
価値観
就業意識
人的資源管理
日本語学習者
ホーチミン
権利情報
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