中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 49 巻
2009-03-20 発行

持続可能な開発のための教育(ESD)としての高等学校における地理授業開発 : 学習指導案:「ドイツ統一と地域格差」 <第2部 教科研究>

和田 文雄
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Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_49_235.pdf
Abstract
地理は,持続可能な開発のための教育(ESD)を推進する主要科目であり,いまそのカリキュラム化と授業実践が求められている。本研究はその具体的な試みとして高等学校地理の地誌学習をとりあげ,ドイツを事例とした単元開発をおこなう。本稿ではその中間発表として,単元の一部を構成する「ドイツ統一と地域格差」の学習指導案を提案する。この授業の学習テーマである地域格差は,ESDの15重点分野の一つである。本学習指導案では統一後の旧東ドイツ地域と旧西ドイツ地域の経済的な地域格差の問題を扱う。これはドイツの持続的な開発の問題であり,EUに共通する地域的課題でもある。学習方法は学習者による主体的な探究学習を採用した。本授業開発はそのための,教師による探究過程を授業の形で示す指導法の提案である。