広島大学留学生センター紀要 8 号
1998-03-01 発行

留学生指導体制の段階的展開に関する一考察

田中 共子
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Hiroshima-IntStudentCenter-kiyo_8_63.pdf
Abstract
日本の大学における留学生指導体制は、段階的に展開を遂げてきたように思われる。それを第1期から第4期に分類し、それぞれ発展時期ごとの課題を述べた。第1期は特別の担当者がなく、個人的裁量で指導が行われる。第2期は個人単位の専門ポストが設置され、第3期は専門機関ができるが、補助的期待が濃く、問題対処の機能は活発化するが問題の局在化を招く。第4期は、専門機関のディレクタ一機能が増し、教育と予防が重視され、指導の任の再配分が生じ、問題の局在化を脱して大学の国際化が進展する。各段階で、業務の不定性と対応方略の恣意性に起因する葛藤が生じる。留学生指導の複合機能を明らかにし、現場でのコンセンサスを作るため、チェックリスト案を提供した。