本研究では、異文化間交流仮説に基づき、異文化適応とソーシャル・ネットワークの関連について18人の在日外国人留学生を対象に調べた。今回は、新渡日後半年間に渡る3回シリーズの縦断的調査の最終回にあたる質問紙調査の結果をまとめている。個人の適応評価や志向性、ネットワーク形成とその構成メンバーとの関係についての評価をたずねた質問項目をクラスター分析した結果、ネットワーク、積極性、適応の3つのクラスターが認められ、これは留学生活の課題または評価の3つの様相と思われる。対人的ストレスや体の不調と、ソーシャル・スキルとの間などに相関が認められ、ネットワーク形成や積極的態度の、適応に対する関係が示された。個人をクラスター分析した結果、ネットワークの発達と孤独感において差を示す2つのクラスターに分かれた。ネットワークの構造、適応・不適応症状と関連を持つ要因、および今回の結果から得られる適応指導への示唆について検討する。