広島大学総合科学部紀要. V, 言語文化研究 29 巻
2003 発行

汉语动词使用错误分析

An Error Analysis of Chinese Verbs
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Abstract
本稿は、日本人大学生の作文に見られる、中国語動詞の誤用を記述し分析したものであり、1)動詞と目的語、主語との共起、2)複雑動詞、3)動詞連用(連動文)、4)非動詞の動詞用法という4つの部分から構成されている。
目的語の共起の問題については、心理動詞の"认识"、"了解"、"爱好"の誤用を記述する一方、"成立"と"建立"、"检验"と"查看"、"上"と"参加"の使い分けを説明している。主語との共起については、"理解"と"了解"、使役動詞の"使"と"让"、"有"及び"发现"と"开发"との使い分けをめぐって、その誤用の分析を展開している。
複雑動詞の問題としては、まず、「離合動詞」の問題を取り上げ、"见面"や"及格"に見られる離合動詞の目的語添加と、"说"と"说话"のような単音節動詞と双音節離合動詞の使い分けと、"睡觉"と"结婚"の分離使用という3つの問題を分析している。それから、"感兴趣"を例に、離合動詞に似た「慣用句動詞」の目的語添加の誤用に言及し、二重目的語動詞にまつわる第一目的語前方移動の問題と、"说明"というような言語行為動詞の二重目的動詞の誤用を考察している。さらに、 "看见"のような動結構造や "去" "来" "起来" といった直示的動趨構造の誤用を検討し、"尝"を例に、恒常的行為を表すのに動詞の重ね型が不適格という問題を指摘している。最後に、心理動詞の"幻想"と始動動詞の"开始"及び存在動詞の"在"が"了 "と結合する間違いを取り上げ、動詞と助詞との結合の問題を分析している。
動詞連用の問題について""と"帮助"を例に、一部の動詞がある文脈の下で単独で述語を構成することができないという特徴を立証している。
非動詞の動詞用法については、"许可"と"感受"のような名詞が動詞に用いられる誤用と、形容詞"要好"の動詞用法、そして"好像"と"恐怕"のような副詞の動詞用法を分析している。