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ID 31907
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別タイトル
The Recursive Algorithm for Generalized Algebraic Riccati Equation of Singularly Perturbed Systems
著者
NDC
電気工学
抄録
リカッチ代数方程式は,最適レギュレータ問題,カルマンフィルタを含む推定制御問題,及び近年盛んに研究されているH∞制御問題など,あらゆる制御問題におけるコントローラの設計に欠かすことのできない基本的な方程式である.特に,微小な摂動項εをともなう特異摂動システムを扱う場合,計算機の物理的容量から,リカッチ代数方程式を解くことは困難である.1980年代前半,Gajicは,この摂動項を含むリカッチ代数方程式を解くための再帰的アルゴリズムを提案した.

近年の計算機技術の急速な発展に対して,制御問題に関する摂動項を含むリカッチ代数方程式を解くことは,いまだに困難な問題である.Gajicが扱った特異摂動システムは,システムの係数行列A22が非特異である仮定が存在するために再帰的アルゴリズムの適用範囲が狭かった.後に,1980年代後半にはKhalilは,この仮定を必要としないコントローラの設計を提案した.通常,係数行列A22が非特異である仮定を必要とする特異摂動システムを標準特異摂動システム,仮定を必要としない特異摂動システムを非標準特異摂動システムと呼んでいるが,非標準特異摂動システムにおける再帰的アルゴリズムは,Khalilが非標準特異摂動システムの制御問題に対するコントローラを構築したにも関わらず現在でも扱われていない.

そこで,本論文ではGajicが提案した特異摂動システムにおけるリカッチ代数方程式ための再帰的アルゴリズムを拡張する.すなわち,Gajicは係数行列A22が非特異である標準特異摂動システムにおける最適レギュレータ問題(LQR問題)とLQG問題のみを扱っているのに対し,本論文では,A22が非特異である仮定が存在しない非標準特異摂動システムにおける最適レギュレータ問題(LQR問題)とLQG問題を扱う.拡張された再帰的アルゴリズムを利用することによって,扱うシステムの次数を低減し,摂動項の大きさを考慮しないリカッチ代数方程式の解を求めることが本論文の目的である.さらに,本論文では1980年代後半にDoyleらによって構築された状態空間法に基づくH∞制御を,非標準特異摂動システムに適用して,再帰的アルゴリズムによるコントローラの設計を提案する.
目次
目次 / p2
第1章 はじめに / p1
 1.1 緒言 / p1
 1.2 標準,非標準特異摂動システム / p4
 1.3 特異摂動法 / p5
 1.4 再帰的アルゴリズム / p6
 1.5 ロバスト制御 / p9
 1.6 H∞制御 / p10
 1.7 ロバスト安定性 / p13
 1.8 研究概要 / p14
第2章 非標準特異摂動システムにおける合成制御則のための新手法 / p16
 2.1 はじめに / p16
 2.2 非標準特異摂動システムにおけるfull-orderレギュレータ問題 / p17
 2.3 full-orderレギュレータ問題の分解 / p20
 2.4 合成制御則の準最適性 / p28
 2.5 設計方法 / p40
 2.6 数値例 / p40
 2.7 まとめ / p42
第3章 非標準特異摂動システムにおけるLQR問題のための再帰的アルゴリズム / p44
 3.1 はじめに / p44
 3.2 一般化リカッチ方程式の導出 / p45
 3.3 再帰的アルゴリズム / p47
 3.4 再帰的アルゴリズムの収束 / p51
 3.5 数値例 / p54
 3.6 まとめ / p58
第4章 非標準特異摂動システムにおけるLQG問題のための再帰的アルゴリズム / p60
 4.1 はじめに / p60
 4.2 非標準特異摂動システムのためのLQG問題 / p61
 4.3 一般化リカッチ方程式の変換 / p63
 4.4 再帰的アルゴリズムの導出 / p64
 4.5 数値例 / p72
 4.6 まとめ / p74
第5章 摂動項を含むH∞タイプリカッチ方程式のための再帰的アルゴリズム / p75
 5.1 はじめに / p75
 5.2 準備 / p77
 5.3 再帰的アルゴリズム / p77
 5.4 数値例 / p86
 5.5 まとめ / p88
第6章 非標準特異摂動システムにおけるH∞制御問題のための再帰的アルゴリズム / p89
 6.1 はじめに / p89
 6.2 問題設定 / p90
 6.3 0-オーダ方程式の導出 / p92
 6.4 再帰的アルゴリズムの導出 / p95
 6.5 再帰的アルゴリズムの収束 / p96
 6.6 数値例 / p101
 6.7 まとめ / p104
第7章 不確定性を有する特異摂動システムのロバスト安定性 / p105
 7.1 はじめに / p105
 7.2 問題設定 / p107
 7.3 安定性のための十分条件 / p107
 7.4 数値例 / p115
 7.5 まとめ / p116
第8章 結論 / p117
謝辞 / p120
付録1 リアプノフ方程式,リカッチ方程式 / p121
 1.1 リアプノフ方程式 / p121
 1.2 最適レギュレータ問題におけるリカッチ方程式 / p125
付録2 可安定性,可検出性 / p128
 2.1 可制御,可安定 / p128
 2.2 可観測,可検出 / p129
付録3 ディスクリプタシステム / p131
付録4 数学的基礎 / p132
参考文献 / p134
発表論文リスト / p139
SelfDOI
言語
日本語
NII資源タイプ
学位論文
広大資料タイプ
学位論文
DCMIタイプ
text
フォーマット
application/pdf
著者版フラグ
ETD
権利情報
Copyright(c) by Author
関連情報(references)
(1) 向谷, 水上, 徐, "非標準特異摂動システムにおける最適レギュレータ問題のための再帰的アルゴリズム." 計測自動制御学会論文集 vol.32, no.5, pp.672-678, 1996.
(2) 向谷, 水上, "非標準特異摂動システムにおけるLillear-Quadratic-Gaussian(LQG)問題のための再帰的アルゴリズム." 電気学会論文誌C vol.116-C. no.12, pp.1382-1389, 1996.
(3) 向谷, 水上, "摂動項を含むH∞タイプリカッチ方程式のための再帰的アルゴリズム." 電気学会論文誌C vol.117-C. no.10, pp.1464-1471, 1997.
(4) H.Xu, H.Mukaidani and K.Mizukami, "New Method for Composite Optimal Control of Singularly Perturbed Systems." International Journal of Systems Sciences vol.28, No.2, pp.161-172, 1997.
(5) H.Mukaidani, H.Xu and K.Nlizukami, "The Recusive Algorithm of H∞ Control Problems for Nonstandard Singularly Perturbed Systems." Asian Control Conference, pp.591-594, July 1997.
(6) H.Xu, H.Mukaidani and K.Mizukami, "On the Near-optimality of Composite Optimal Control for Nonstandard Singularly Perturbed Systems." 35th IEEE Conference on Decision and Control, pp.3618-3619, December 1996.
(7) H.Mukaidani, H.Xu and K.Mizukami, "The Recusive Algorithm for Optimal Regulator of Nonstandard Singularly Perturbed Systems." Proceedings of 10th Korea Automatic Control Conference, International Program, pp.10-13, October 1995.
(8) H.Xu, H.Mukaidani and R.Mizukami, "A Nev Approach for Stabilization of Nonstandard Singularly Perturbed Systems." Proceedings of 10th Korea Automatic Control Conference, International Program, pp.99-102, October 1993.
関連情報URL(references)
http://joi.jlc.jst.go.jp/JST.Journalarchive/sicetr1965/32.672
http://www.journalarchive.jst.go.jp/japanese/jnlabstract_ja.php?cdjournal=ieejeiss1987&cdvol=116&noissue=12&startpage=1382
http://www.journalarchive.jst.go.jp/japanese/jnlabstract_ja.php?cdjournal=ieejeiss1987&cdvol=117&noissue=10&startpage=1464
http://dx.doi.org/10.1080/00207729708929375
http://dx.doi.org/10.1109/CDC.1996.576964
学位記番号
甲第1728号
授与大学
広島大学(Hiroshima University)
学位名
博士(工学)
学位名の英名
Engineering
学位の種類の英名
doctoral
学位授与年月日
1997-10-09
部局名
工学研究科