このエントリーをはてなブックマークに追加
ID 20989
本文ファイル
著者
NDC
技術・工学
抄録
最近,設計・生産の分野でコンカレント・エンジニアリングが注目されている. これは,製品設計と同時に製品のライフサイクルと関連する様々な特性(製造性,安全性など)を考慮に入れるものである. コンカレント・エンジニアリングでは,普通,この特性を考慮に入れるため,設計者が設計対象のモデルを構築した後,そのモデルを用いて専門技術者(例えば,製造性を考慮に入れる場合は生産設計の技術者)が特性を調べる作業(以下,統合化作業)を実行する.その結果,設計対象に不具合が存在することが分かれば,設計者と専門技術者との相談によりモデルを修正し,再び統合化作業を実行する. 一方,熟練した設計者になると,信頼性などの特性を頭の中で予測しながら,モデリング作業を行っている場合がある. つまり,熟練設計者の頭の中ではモデリング作業と並行して,統合化作業も行っていると考えられる. 熟練設計者は,このような単行処理によって,モデリング作業の初期段階から,設計対象の不具合を発見し,それに対する適切な対策を施している.本論文は,このような並行処理に基づく設計支援システムの実現を目的とする. これは,CADシステムを用いたモデリング作業と並行して,統合化作業用ツールを実行することにより,モデリング作業中の設計者に設計対象の不具合の存在等を指摘するものである. これにより,設計者はモデリング作業の段階で特性を考慮に入れることが可能となる. 本論文は6つの章からなり,その内容は以下の通りである.

第1章では,本論文の目的と背景を述べ,各章の内容を概説する. 第2章では,モデリング作業の段階で特性を考慮に入れるための新しい設計支援の概念を示す. まず,モデリング作業中の設計対象モデルを絶えず監視し,不具合を発見すれば即座にその情報を設計者に与える知的設計オブザーバの概念を提案する. 次に,これを実現するために不可欠な並行処理の方法を提案する. これは,統合化作業を部分問題に分解し,モデリング作業と並行して処理可能となった部分問題を順次処理するものである. また,この設計支援方法において,設計者にフィードバックすべき情報を検討する. 第3章では,挙動により構造などが変化する機械をモデリングできるCADシステムの開発について述べる. まず,この変化する機械をオブジェクト指向とペトリネットに基づいてコンピュータ内で表現する方法を示す. 次に,このような機械のモデリングを行うために開発したcADシステムの構成・機能について述べる. そして,このシステムにおけるモデリング方法と挙動のシミュレーション方法を示す. 第4章では,故障シミュレーションに対して第2章で提案した概念を適用する. これは,第3章で示したCADシステムによるモデリング作業と並行して故障シミュレーションを実行するものである. このため,まず,故障シミュレーションを部分問題に分解し,CADシステムのモデルに対する操作と連動して部分問題を処理する方法を提案する. そして,開発したシステムの実行例を示し,モデリング作業中の設計対象の不具合の発見や,設計変更による故障伝播の変化の把糧ができることを示す.

第5章では,モデリング作業との並行処理が不可能な統合化作業として,組立順序の生成を取り上げる. まず,並行処理が不可能であっても,修正設計を行った場合などには,第2章で提案した概念の適用が有効であることを示す. 次に,組立順序生成の部分問題への分解がAND/ORグラフで表せ,これを探索することにより組立順序が得られることを示す. さらに,第2章の概念に基づくAND/ORグラフの探索アルゴリズムを提案する. このアルゴリズムにより,修正設計などで設計変更された設計対象に対しては,設計変更前の組立順序情報を用いて効率よく設計変更後の組立順序が得られる. 第6章では,結論として各章で得られた主要結果をまとめる.
SelfDOI
言語
日本語
NII資源タイプ
学位論文
広大資料タイプ
学位論文
DCMIタイプ
text
フォーマット
application/pdf
著者版フラグ
ETD
権利情報
Copyright(c) by Author
学位記番号
乙第2374号
授与大学
広島大学(Hiroshima University)
学位名
博士(工学)
学位名の英名
Engineering
学位の種類の英名
doctoral
学位授与年月日
1993-02-18
部局名
工学研究科