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ID 611
本文ファイル
別タイトル
Spinal Cord Injury and Regeneration in the Fetal Rats
著者
山崎 健
キーワード
胎仔手術
脊髄損傷
アストロサイト
ミクログリア
Fetal surgery
Spinal cord injury
Astrocytes
Microglia
抄録
胎内手術によるラット胎仔の脊髄損傷モデルを作製し, 免疫組織化学的手法を用いてグリア細胞の変化を経時的に観察した。成熟ラットにおける脊髄損傷を対照手術群として比較を行い, 両者におけるグリア細胞環境の相違を探ることを本研究の目的とした。脊髄損傷部において, 対照手術群では活性化されたアストロサイトの経時的な増生がみられたが, 胎内手術群では活性化されたアストロサイトは術後3日および7日の損傷後早期に僅かにみられるもののその後速やかに消退していた。対照手術群では術後21日および35日で脊髄損傷部に瘢痕形成がみられたが, 胎内手術群では認められなかった。また損傷部において, 胎内手術群では類円形のマクロファージ様の細胞が術後3日および7日の損傷早期にみられ, その後は消退していたが, 対照手術群では術後3日から21日まで認められた。胎内手術群ではマクロファージ様の細胞による破壊された組織の貪食, 処理が短時間で終了するためと考えられた。さらに損傷部では胎内手術群において術後21日および35日で脊髄の連続性を有するものには静止型のミクログリアがみられたが, 脊髄の連続性を有しないものでは静止型のミクログリアは認められなかった。損傷部より頭側および尾側に5mm離れた部分では, 対照手術群において術後21日および35日で白質に反応型ミクログリアが認められたが, 胎内手術群では認められなかった。胎内手術群ではワーラー変性が起こらないため, 反応型ミクログリアが出現しなかったと思われる。本研究により神経再生に関するグリア細胞の役割が, グリア細胞自身や周囲の細胞の成熟度, 損傷部位, 損傷部周囲の状況などの要因で変化する可能性があること, および脊髄損傷後に生じる活性化されたグリア細胞の速やかな消失が損傷した中枢神経の修復に重要な意味を持つ可能性があることが示唆された。
抄録(英)
Because the immature spinal cord was nerve growth permissive, I examined glial reactions that influence regeneration of the spinal cord in a fetal rat spinal cord injury model. Three, 7,21,and 35 days after intrauterine surgery, offsprings were killed and the thoracic and lumbar spinal cords were carefully removed from the spinal column and then cut into 10 μm longitudinal sections. These sections were stained with hematoxylin-eosin, anti-glial fibrillary acidic protein antibody (GFAP) as a marker of astrocytes, and anti-complement CR3 antibody (OX-42) as a marker of microglia. I gathered two important points facts in my study. First, there was no significant glial reactions and connective tissue scar formation comparable to the dense glial or connective tissue scar that constitutes a barrier against regenerating axons in adult rats. Second, in the group with a good walking ability, the rostral and caudal spinal cord segment were connected at white matter. In the group with non walking ability, the spinal cord segment were separated. The reason for the difference in spinal cord conditions among survivors was still unknown. I conclude that responses and regeneration of damaged spinal cord axons differs between fetus rats and adult rats.
掲載誌名
広島大学医学雑誌
49巻
6号
開始ページ
189
終了ページ
204
出版年月日
2001-12-28
出版者
広島大学医学出版会
寄与者
国立情報学研究所
作成年月日
2006-03-21
ISSN
0018-2087
NCID
SelfDOI
言語
日本語
NII資源タイプ
紀要論文
広大資料タイプ
学内刊行物(紀要等)
DCMIタイプ
text
フォーマット
application/pdf
著者版フラグ
publisher
部局名
医歯薬学総合研究科
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