広島外国語教育研究 20号
2017-03-01 発行

Interactional Dominance in International Baccalaureate and University Classroom Discourse : An Intercultural Perspective

国際バカロレア教育と大学での教室内談話における相互作用と優位性 : 異文化間の視点から
Takita, Fuyuko 外国語教育研究センター 広大研究者総覧
Rentoule, Damian
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抄録
談話の相互作用における優位性のパターンは,教室内の談話への参加度に応じて学生の教育機会へのアクセスに影響を与える。本稿では,国際バカロレア(IB)の教室と大学の教室における学生の経験を異文化の視点から詳しく調査する為に二つの異なる調査を用いた。まず1つ目の調査では,6学年から12学年までの100回の授業(教室エピソード)のビデオ録画を通して,教室内での談話の性質を調査した。その結果,教室内では様々の相互に密接に関連した談話や相互依存した談話が観察されたが,教師が決定的な役割を果たしていたことが判明した。談話とは形式と機能の両方で競合し,談話自体の中でも学生は優位性を競っていることが判明した。IBの教室内では,談話は意味交渉に重点が置かれていた。競合する談話の本質を詳細に検討する為に本稿では,1つ目の調査の結果を日本にいる異なった文化背景を持つ大学生の示した異文化交渉スタイルを調査した2つ目の研究結果と関連させて検証する。第二の研究では,異なる文化的背景を持つ大学生を対象とした3つの異なる交渉セッションの会話データを用いて,沈黙,話しの分配,質問,直接性/間接性などの言語戦略を特定し分析した。

結果によれば,異なる言語的交渉戦略が,文化的に多様な教室の文脈の中で非常に異なって使用され,解釈される可能性が高いことを示唆した。異文化間の視点を用いた2つ目の調査結果に基づいて,IB教室の談話を検討すると教師がIBの基本的理念に教室内の談話をより緊密に沿わせるためには,学生中心の授業戦略を導入するだけでは不十分であり,教室内での談話の性質向上には,学生の異文化間交流能力を向上させる必要があると提唱する。
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