2002年度から09年度にかけて、市町村合併と三位一体の改革が重なり、自治体の財政力指数(単年度)は改善された。改善した自治体の比率は、非合併市町村では70.7%であったが、合併市町村では91.7%であった。それでもなお合併市町村の財政力指数は、非合併市町村のそれを下回っている。経常収支比率(減税補填債等と臨時財政対策債を含まない)は全体として上昇し、硬直性が増大した。これは分母となる経常一般財源が微減した半面、分子となる経常経費充当一般財源が相対的に高止まりしたからである。改善した自治体の比率は、非合併市町村では31.5%であったが、合併市町村では19.7%にとどまった。合併市町村においては、たとえ緩やかでも「一本算定」が進められていけば、分母は縮小する。その一方、合併特例債をはじめ地方債への依存が比較的高いため、後年度の公債費負担は上昇する。このようにして分子が増大すれば、硬直性はさらに強まることが懸念される。合併団体においては合併10年を機会に、より計画的・効率的な行財政運営に努めていく必要がある。