1980年代以降、我が国では地域経済・産業格差是正を目的とした地域情報化政策が行われてきたが、情報サービス産業は極端な東京一極集中型の産業構造を維持し今日に至っている。本稿は地域要因の観点から、我が国の情報サービス産業の立地・集積の背景について分析を行うものである。分析の結果、当該産業の立地・集積に対し需要要因および経済における情報化進展が影響を持つことが明らかとなった。とくに大規模事業所にとって、地域における情報化進展が大きな影響を持つ。他方、当該産業の立地・集積は他産業と競合的な関係にあるが、その影響は事業所規模ごとに異なることが明らかとなった。