主として2008年度の都道府県税ならびに市町村税の徴収実績に基づいて、都道府県税の徴収状況と市町村税のそれらとのあいだにどのような関係がみられるかを点検した。その結果、徴収率、滞納繰越比率、税収あたり徴税費などにおいて有意な相関関係がみられた。その要因として課税対象が重複していること、滞納整理や税務処理の広域化・共同化の取り組みが関係していること、さらにある種のヤードスティック競争が働いていることが推察される。一方、都道府県税と市町村税の徴収状況などのあいだに乖離もみられる。そのような乖離幅が想定される以上に大きく、主として徴税体制や徴税方法に起因しているとすれば、広義での負の租税外部性につながる可能性がある。今後さらに詳しく分析していく必要がある。