地域経済研究 19号
2008-03-31 発行

経済波及と環境負荷誘発に着目した岡山県経済の産業連関分析 <論説>

Input-Output Analysis of Induced Economic Effects and Environmental Burden on Okayama Prefectural Economy
是友 修二
新家 誠憲
阿部 宏史
本文ファイル
抄録
わが国では、バブル経済崩壊後の地方経済低迷や経済のサービス化・ソフト化の進展とともに、東京圏と地方圏との経済的格差が拡大している。一方で、地球温暖化、廃棄物処理などの影響が広域かつ長期に及ぶ環境問題が深刻化しており、今後の地域経済活性化においては、経済と環境の調和を考慮していくことが重要である。産業連関モデルは、これまで国や地域を対象とする経済構造や経済波及効果を分析するツールとして利用されてきたが、最近では環境分析への応用が進んでおり、経済と環境のバランスを総合的に把握できる手法として注目されている。

本研究では、以上の観点をふまえて、地域経済構造と環境負荷発生構造を同時に把握できる地域産業連関モデルを構築し、岡山県と全国及び関東地方を対象とする地域比較分析を通じて、岡山県経済の特徴と今後の持続的発展に向けた課題を考察した。分析結果より、岡山県は基礎素材型製造業の集積が大きく、他地域からの需要に依存した環境負荷の大きい経済構造が形成されていることが明らかになった。今後、経済活性化と環境負荷低減を両立させていくためには、水島臨海工業地帯において基礎素材型製造業の省資源・省エネルギー化を継続していくとともに、経済波及効果に比べて環境負荷発生が小さい加工組立型製造業やサービス業の集積促進を図っていくことが必要と考えられる。
キーワード
地域産業連関モデル
地域経済構造
環境負荷誘発
Regional Input-Output Model
Regional Economic Structure
Induced Environmental Burden
SelfDOI