地域経済研究 18号
2007-03-30 発行

地域における産業情報化の現状と課題 : 清酒製造業を事例として <論説>

Informatization in Sake Brewing Manufacturers
安髙 優司
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抄録
産業の情報化は、東京など中枢機能を持つ都市以外の地域にとっては不利に作用している面が強いとする指摘が多いが、各地域の産業にとっても情報化を通じた活性化は重要である。しかし地域経済の発展に結びつく産業の情報化が具体的にどのようなものかは明らかではない。本稿では、地域との結びつきが強い地場産業における情報化の状況を把握することにより、情報化を通じて地域の産業を活性化するための課題や方向性に関して議論した。事例として清酒業界をとりあげて調査した結果、上位の大手メーカーでは流通とのオンライン受発注をはじめ生産、販売へのIT導入が進み比較的先進的な情報化が行われている一方、代表的産地である灘、伏見における地域的な取り組みは活発ではないことがわかった。また、中小メーカーにおいては情報化に積極的な企業とそうでない企業との二極化が進んでいる。こうした状況の中で、灘の大手企業を中心に構築された業界VANや地方の地酒メーカーが連携した受発注システムなどの経験を生かして、情報化に積極的な地域内企業や地域間の情報ネットワークを構築することにより、商品開発や市場開拓・販路開拓などにつながる環境を創出することが期待される。
キーワード
地場産業
情報化
ネットワーク
local industry
informatization
network
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