地域経済研究 17号
2006-03-31 発行

製品開発マネジメントの分析ツールとしての設計構造マトリックスに関する考察 <論説>

A Review on the Design Structure Matrix as an Analytical Tool for Product Development Management
目代 武史
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抄録
本稿の目的は、複雑な製品開発を分析するためのツールである設計構造マトリックス(DSM: DesignStructure Matrix)について、その基本概念と最近の研究動向を整理するとともに、DSMの分析ツールとしての利点と限界点を明らかにすることである。DSMは、開発製品や開発組織などをシステムの観点から捉え、システムを構成する要素間の依存関係を簡潔に示す行列である。分析対象に応じて、コンポーネントDSM、チームDSM、タスクDSM、パラメータDSMなどがある。

近年の研究動向を見ると、(1)開発製品や開発組織の構造を最適化する流れと(2)開発プロセスを最適化する流れがある。構造の最適化には主にクラスタリング、プロセスの最適化にはパーティショニングといった分析手法が用いられる。

他の製品開発手法と比較したDSMの利点は、記述する情報の簡潔性、網羅性、一覧性、操作性の良さにある。ただし、DSMは分析手法の一つに過ぎず、製品開発のすべてを分析できるわけではない。DSMには、要素間の未知の依存関係に対する脆弱性、スタティックな分析アプローチ、組織の知識蓄積に関する分析の弱さといった限界点があることに留意する必要がある。
キーワード
設計構造マトリックス
製品開発
製品アーキテクチャ
design structure matrix
product development
product architecture
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