地域経済研究 16号
2005-03-31 発行

地域産業連関表に基づく中国地方の成長構造分析 <論説>

A Study on the Growth Structure of Chugoku Region Using Data from Regional Input-Output Tables for 1975-95
阿部 宏史
小林 三恵
立間 久美子
本文ファイル
抄録
中国地方は、高度経済成長期以降、重化学工業を中心とするわが国の製造業拠点となってきた。しかし、1970年代に発生した2度のオイルショック後の基礎素材型製造業の衰退やサービス経済化の流れの中で、中国地方では産業構造の転換が立ち遅れ、地域経済が長期の低迷を続けている。また、わが国全体を見ると、バブル経済崩壊後の長期にわたる構造的不況は、経済のサービス化・ソフト化の進んだ東京圏と地方圏の間で、生産や雇用の成長格差を拡大させており、現在では、産業構造の変容をふまえた地域経済の再生が大きな課題となっている。

本研究では、経済産業省が5年毎に公表している全国9地域別の産業連関表と、国勢調査及び事業所・企業統計調査に基づく雇用数データを用いて、サービス業を細分化した地域産業連関モデルを構築するとともに、生産と雇用の両面から中国地方の成長特性と地域経済の課題を分析した。その結果、中国地方は、基礎素材型製造業を中心として成長性の低い産業に依存した経済構造を形成しており、今後の地域再生に向けては、知的産業支援サービス業を始めとする成長性の高い産業の振興とともに、地域内需要主導型経済への転換が必要であることが明らかになった。
キーワード
地域産業連関分析
地域産業構造
地域間格差
Regional Input-Output Analysis
Regional Industrial Structure
Regional Disparities
SelfDOI