地域経済研究 15号
2004-03-31 発行

自治体を中心とした地域連携 : 欧州を事例として <研究ノート>

Regional Cooperation Initiated by the Local Government : In the Case of Europe
香川 敏幸
市川 顕
杤尾 圭亮
本文ファイル
抄録
本稿の目的は、日本において議論が高まりつつある地理的な行政区分を超えた地域の連携について、欧州の先進的な二事例「バルト海沿岸地域協力」、「トラキア国境地域協力」から知見を得ることを目的としている。分析過程では、欧州の地方分権において受け入れられつつあるマルチレベル・ガバナンスの概念を視点として用いる。

両事例は、ともに自治体を中心とした地域の行為主体が国境という行政区分を超えて協力を行うという国境地域協力であり、その特徴として以下の二点、協力に参加する行為主体がネットワーク化され対等かつ親密な関係が築かれている点、そのネットワークの中心として行為主体を結びつける組織が重要である点を確認することができる。

さらに両国境地域を比較分析した結果として、本稿では欧州における理想的な地域連携像としてネットワーク・ポリティーを提示し、日本における地域連携への示唆を導き出す。
キーワード
地域連携
欧州
国境地域協力
マルチレベル・ガバナンス
ネットワーク・ポリティー
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