地域経済研究 14号
2003-03-31 発行

交流産業と地域経済の成長 <論説>

Industry for Interregional Service Trade and Regional Economic Growth
平尾 元彦
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抄録
現在、交流と連携による地域づくりが積極的に進められ、"交流人口"の増大を目指した地域政策が盛んに実行されている。しかし、交流人口の増加は本当に地域経済の発展につながっているのだろうか。この問題意識のもと、地域政策指標としての「交流」の意義を明らかにし、"交流産業"の実態と地域経済への影響を把握する。交流にかかわる地域政策の推移を整理した上で、政策指標としての交流人口の論点および経済的意義を検討し、地域比較・時系列比較可能な新たな交流指標を提案する。ここでは域外者の非財貨需要に対応する経済活動を"交流産業"と定義して、地域産業連関表を用いた交流産業の推計、および、経済基盤モデルによる地域成長分析を行う。これにより、(1)日本経済において交流産業のウェイトは拡大していること、(2)交流産業は地域経済の成長を牽引していること、以上の2点を検証し、地域政策における交流産業振興の意義を論じる。
キーワード
交流産業
地域産業連関表
経済基盤モデル
industry for interregional service trade
regional input-output table
economic base model
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