地域経済研究 14号
2003-03-31 発行

自動車地場部品メーカーにおける価値連鎖の再構築 : 製品アーキテクチャの変化への適応 <論説>

Restructuring Value Chains in Automotive Parts Industry : Adaptation to Changes in Product Architecture
目代 武史
金原 達夫
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抄録
本稿は、自動車部品における設計構造(製品アーキテクチャ)の変化に伴う事業活動や部品取引パターンの変化を価値連鎖の観点から分析し、価値連鎖の設計における課題を検討することを目的としている。本稿では、センターパネルの事例をとりあげ、同部品のモジュール化に伴う部品メーカーの事業活動の範囲や役割の変化を考察した。モジュール化により、センターパネルの開発・製造を統括する役割が完成車メーカーからモジュールメーカー(Tier 1)へと移管され、Tier 2以降の部品メーカーの事業活動にも影響を与えた。モジュール化は、最終生産ラインにおける組立工数の大幅な削減と見栄え品質や操作性などの商品性を向上させたが、価値連鎖の一部において不良の予期せぬ発生などを生じさせた。こうした部品の設計構造の変化に対応するためには、(1)価値連鎖の再構築を促す戦略的働きかけ、(2)大きな付加価値を取り込むための価値連鎖上のポジショニング、(3)外部経営資源の有効活用、(4)価値連鎖における各活動間の相互依存性への配慮、(5)価値連鎖の変化を通じての組織学習の促進、に取り組むことが必要である。
キーワード
価値連鎖
製品アーキテクチャ
モジュール化
value chain
product architecture
modularization
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