地域経済研究 13号
2002-03-31 発行

地域経済低迷要因としての若年層流出と生活満足度との関連について : 心理・社会・経済的要因に基づく地域間比較からの検討 <論説>

The Exodus of Young People from Hilly and Mountainous Areas as a Factor of the Breakdown of the Regional Economy and the Relationship to Satisfaction with their Lifestyles : An Investigation of the Indispensable Psycho-social and Economic Factors for Indigenous Development Through a Comparison of Regional Characteristics in Hiroshima Prefecture
加藤 芳朗
戸梶 亜紀彦
本文ファイル
抄録
広島県中山間地域の若年層流出とUターン者数低迷の原因を探る目的で都市部、都市周辺部、中山間地域の高校3年生を対象に、地域の状況および生活の満足度のアンケート調査を行った。その結果 1)中山間地域では、都市部、都市周辺部に比し、『愛着心』『会話』『交流』『環境』『身体』『安全性』の要因で評価が高く、一方、都市部では『社会インフラ』の項目で評価が高く、これらが生活満足度に正の影響を及ぼしていた。2)「住居選択」の項目は「地元好意」「趣味施設」「勉学環境」「交通の便」などの項目によって規定されていた。3)『家族機能』の要因は『生きる力』と定義された『身体』『活力』『自己肯定』『安全性』に正の影響を及ぼし、一方『住みやすさ』の要因はこれらに負の影響を及ぼし、非経済的メリットと経済的メリットが地域で機能的に分化していた。

以上の結果より、中山間地域は『生きる力』に繋がる『家族機能』と『住みやすさ』が同時に得られる社会インフラ整備、学校立地、企業のあり方を含めた地域の内発的発展が望まれる。
キーワード
高校生
生きる力
内発的発展
hilly and mountainous area
survival power
endogenous development
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