地域経済研究 13号
2002-03-31 発行

公共施設の維持補修費の規定要因に関する実証分析 : 広島県内の市町村を事例として <論説>

An Estimation Model of Maintenance Cost for Public Facilities : In the case of local municipalities in Hiroshima prefecture, Japan
桑原 美香
本文ファイル
抄録
本論文の目的は、公共施設の面積等から、維持補修費の将来必要額を推計することにある。現在、多くの施設の維持補修・管理は各地方自治体に任されているが、税収の落ち込みや地方交付税の減額などにより、今後は財政逼迫に陥りかねない。また、公共施設の老朽化も進んでゆくことから、将来必要となる維持補修費を適確に把握し、将来負担費用を計上し得るような財政システムを確立しなければならない。

従って、本論文では公共施設面積を主な説明変数とした維持補修費の推計式を導出し、広島県内市町村の公共施設面積と維持補修費の一般傾向について検討する。

得られた結果としては、

(1) 道路の維持補修費は、道路面積と歳入に占める地方税の割合とを説明変数に持つ回帰式がフィットした。

(2) 小中学校校舎の補修費は、校舎面積と、人口密度、歳入に占める地方税の割合か人口増加率のいずれかを用いる回帰式が有力であった。ただし、校舎面積以外に用いる説明変数は確定し得なかった。
キーワード
公共施設
維持補修・管理
地方財政
infrastructure
maintenance cost
local finance
SelfDOI