現代は情報化社会、スピードの時代と言われる。そのめまぐるしい変化のなかで、独自の戦略のひとつとして「顧客満足」に焦点をあてる企業や小売業が増加している。本研究では、広島県下では数少ない成長中の新興都市である東広島市の中心市街地に立地する小規模小売店を対象とし、その店舗に適合した「顧客満足」を図るため、来店客へのアンケート調査をもとに分析を行った。因子分析の結果、5因子が抽出され、各々「店舗の感性」「接遇」「店舗快適性」「商品数」「価格」と解釈された。サンプルの構成比率から、年代別に特徴があるという仮定のもとで分析を行った結果、因子得点を説明変数とした重回帰分析では、全ての年代において満足を規定する要因のひとつとに、「接遇」が抽出されたが、「価格」に関しては強く関係する年代は見当たらなかった。この店舗における商品特性や主要な「来店目的」から、「非計画購買」の形式がとられており、地域における身近な「コミュニケーションの場」としての機能が求められていると考えられた。これらの結果をもとに、「顧客満足」という点を軸とした、この店舗に適合する戦略について東広島市の現状と照らし合わせて考察を行った。