地域経済研究 11号
2000-03-31 発行

都市規模と事業所の開業率・廃業率 <論説>

City Size and Opening Rate, Closing Rate of Establishments
吉村 弘
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抄録
本稿は、日本における事業所展開が新たな局面を迎えつつあるという認識のもとで、平成3年~平成8年のデータにもとづいて、事業所の開業率、廃業率、増加率の観点から、日本における事業所数の変化と都市規模との間の一般的傾向性を明らかにしようとするものである。主要な結果は次のとおり。

(1) 開業率については、「都市の全産業、製造業、卸売小売業・飲食店、及びサービス業のすべてについて一般的傾向性に違いはなく、対数表示開業率は対数表示人口規模の上に凸の2次関数の関係がある。」最大値をもたらす人口規模は全産業62.2万人、製造業26.3万人、卸売小売業・飲食店50.6万人、サービス業74.0万人である。

(2) 廃業率については、「都市の全産業、卸売小売業・飲食店、及びサービス業については、対数表示廃業率は対数表示人口規模の右上がりの1次関数の関係があり、製造業については下に凸の2次関数の関係がある。」製造業以外は最小値をもたず、都市規模が大きいほど廃業率も大きい。製造業では人口11.4万人で最小値をもつ。

(3) 増加率については、「都市の全産業、卸売小売業・飲食店、及びサービス業のいずれについても、増加率は人口規模について上に凸の関係をもち、人口規模とともにはじめ増大し、やがて最大値をもった後、減少に転じる。」最大値をもたらす人口規模は15万人~30万人である。
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