地域経済研究 11号
2000-03-31 発行

我が国電力産業における価格規制に関する政策分析 : 電力改革に伴う企業インセンティブの高揚をねらいとして <論説>

A Study on the Price Regulation System of Electricity Industry in Japan : To enhance the cost-effective incentive towards structural change of industrial fields
石原 章弘
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抄録
戦後、自然独占性を根拠として参入規制下に置かれた日本の電力産業は独占市場を形成し、増加する電力需要に対応した安定経営を行ってきた。しかし、近年では肥大化する高コスト構造が大きな問題として取り上げられ、競争原理の導入が盛んに検討されている。

1995年4月には電気事業法の改正を受け、発電技術の向上による分散型電源の普及、設備の有効利用、電気料金の内外価格差の顕在化等に対応すべく参入規制が一部緩和された。しかし依然として競争は制限されるため、コスト効率的な価格形成を目的としたインセンティブ規制のあり方が問われている。しかし、その一方で、安定供給等の「公益性」の確保は依然として重要な課題である。

本稿では以上の観点から価格規制のあり方に焦点を当て、「いかなる規制方式がコスト削減を目的とした企業インセンティブの高揚に適しているか」について検討した。そこで現状システム及び規制方式の比較検討を行った結果、以下のような提言を行っている。「短期的には自由化を促進しうる市場環境を整備することによりインセンティブ規制が必要な独占部門を縮小させ、中・長期的には独占市場に対して収入キャップ方式の適用を行うことが重要であると考えられる。」
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