地域経済研究 10号
1999-03-31 発行

岡山市における小売業の立地動向と居住者の買い物行動特性 <研究ノート>

Trends in the Retail Location and the Shopping Behavior in Okayama City
阿部 宏史
本文ファイル
抄録
本研究では、平成10年7月に施行された中心市街地活性化法の適用を目指している岡山市を対象として、市内における小売業の立地と居住者の買物行動の変化が中心市街地に及ぼしてきた影響を定量的に分析した。

分析期間は1982年~1994年とし、この間の商業統計調査及び岡山県南地域パーソントリップ調査の各データを用いて、岡山市内18ゾーンにおける小売業の集積動向と買物行動の変化を検討した。この結果、岡山市では、モータリゼーションを背景とした大規模小売店の郊外立地によって、都心部から近郊部に向けて小売業集積の大きなシフトが生じており、商店数、従業者数、年間商品販売額のいずれの指標についても都心部の地盤沈下と近郊部の急成長が生じていることが明らかになった。また、居住者の買物行動は1982年から1994年にかけて自動車利用中心に変化しており、自動車利用に適した近郊部での買物が急増していること、買物先での滞留時間は近郊部よりも都心部が長いものの、総滞留時間は近郊部のシェアが増大しており、買物行動面でも近郊部の急成長と都心部の衰退が顕著であることが示された。
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