地域経済研究 10号
1999-03-31 発行

経済のサービス化とヒトの動き <論説>

The Shift to Service Economy and Migration into Urban Area
若井 具宜
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抄録
「三大都市圏」の転入超過数の推移を長期的にみると、二つの山(Koppe)が現れている。一つは、昭和36年をピークとする「大きな山」であり、もう一つは、昭和62年をピークとする「小さな山」である。まず、「大きな山」は「高度成長期」を示す山で、「農業から工業へ」、「農村から都市へ」と人々を駆り立てた「工業化のプロセス」ともいえる。このときは、大阪圏も含めて「三大都市圏」が揃って大幅な転入超過となった時期でもある。つまり、「高所得」や「モノの充足」を求めての「農村から都市への大移動」となったため、人々はとくに「都市を選別しなかった」ものと考えられる。次に、「小さな山」は、同じく「中成長期」を示す山で、「工業からサービス産業へ」、「(中小)都市から(大)都市へ」と人々を駆り立てた「サービス化のプロセス」といえる。このときは、大阪圏が一貫して転出超過、名古屋圏が横ばい乃至微増であったのに対し、東京圏のみが顕著な転入超過となり、いわば「東京一極集中」となった時期でもある。つまり、一般的には、「住み良さ」や「サービスの充足」を求めての「都市間移動」となったため、人々は「都市をより慎重に選別した」ものと考えられる。
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