地域経済研究 10号
1999-03-31 発行

行政サービス水準及び歳出総額からみた最適都市規模 <論説>

Optimum Size of a City in View of Public Administrative Services and Annual Expenditures
吉村 弘
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抄録
本稿は、都市の人口規模及び面積と行政サービス水準及び歳出総額との問の一般的関係を導出し、それによって、行政サービス水準及び歳出総額の観点からみた最適都市規模を求め、併せて、各都市の現実の行政サービス水準、歳出総額、及びその効率性を評価し、また、市町村合併の効果を推計しようとするものである。その主要な結果は次のとおりである。

① 都市の人口規模、あるいは人口規模及び面積、を説明変数とするとき、人口当たり歳出総額、行政サービス水準、(行政サービス水準/人口当たり歳出総額)比率は、いずれも、それら説明変数によって有意水準0.01で十分有意に説明される。

② その結果、最適都市規模は、人口当たり歳出総額からみると21~27万人、(行政サービス水準/人口当たり歳出総額)比率からみると24~30万人である。他方、行政サービス水準からみると人口規模は大きければ大きいほど最適である。

③ 説明変数として人口の他に面積を追加するか否かによって最適都市規模の値は異なるが、追加する場合の最適都市規模は面積の値に依存しない。これは、人口規模と面積が互いに独立であり、かつ、回帰式が人口規模と面積について「加法型」多項式になっているためである。

④ 以上の結果を援用すると、都市の行財政を評価し、市町村合併の効果を推計することが出来る。
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