広島大学水畜産学部紀要 7巻 1号
1967-07-31 発行

走島の漁業 : Ⅰ 桝網の漁獲量よりみたウマヅラハギNavodon modestus (GÜNTHER) の漁況について

Fisheries in Hashiri-shima : I. On the catch of navodon modestus (GUNTHER) by masu-ami in Hashiri-shima
村上 豊
角田 俊平
本文ファイル
抄録
 瀬戸内海・備後灘に面する福山市の走島,宇治島および袴島の沿岸水域lこは4月から6月までの3ヶ月間約100統の小型定置網(桝網)が設置されて,多数のウマヅラハギが漁獲される.本報では. 1960年から1966 年まで7年間に走島漁業協同組合に水揚げされたウマヅラハギ漁獲量の記録を用いて解析を行ない,次の諸点を明らかにした.
1 ) 走島におけるウマヅラハギの漁期は4月, 5月および6月で. 5月上旬ならびに中旬が盛漁期である.ここでは総漁獲量の95%が桝網で, 5 %が刺網で漁獲される.
2) ウマヅラハギ漁獲量の経年変化はかなり大きく. 1960年には40 トンの漁獲量があったが. 65年には10 トンに,更に66年には3トン弱に激減している.また盛漁期においては日々の漁獲量もかなり大きく変動する.
3) 漁期を通じて漁獲量の多い網と少ない網の位置はほぼ定まっている.一般に岸の周辺却の網に多く,島の南西岸から沖合に向って設世された沖の網に少ない.これら岸の網と沖の網の漁期は等しく,両者の問に漁獲量の時期的な差異はない.
4) 岸周辺部の網による漁獲量の経日的な推移はいずれの網もほぼ等しい. しかし,漁獲量に1峰型の網と2峰型の網があることが認められた。