広島大学水畜産学部紀要 7巻 1号
1967-07-31 発行

Comparative bservations on the distribution of fluorescent pigments (porphyrins) in the egg-coverings of chickens and quail

ニワトリとウズラの卵の外皮における螢光色素(Porphyrin)
Tamura, Tatsudo
Fujii, Shunsaku
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抄録
 Porphyrin色素が広く烏類卵の外皮に分布することは,化学的には明らかにされているが,それらの外皮各層(クチクラ・卵殻・卵殻膜)における分布は,形態学的には明らかにされていない.また,本色素の卵管での形成ならびに卵への沈着の機序も明らかにされていない. これらの解明の手がかりとして,ウズラとニワトリ(ロード・アイランド・レッド,白色レグホーン)の卵を用い,外皮各層の本色素分布を検索した.
 各卵は,クチクラと卵殻に本色素分布を示したが,その量と分布様式には種類によって差異がみとめられた.すなわち:
 ウズラ卵では,自然状態で,クチクラにおける色素分布が著明で,卵殻はほぼ白色ないし微青色にすぎない. しかし脱灰することによって,かなりの色素が卵殻に分布していることが示された.
 ロード・アイランド・レッド卵では,自然状態で,クチクラと卵殻にそれぞれ中等度の着色がみとめられる.脱灰した卵殻では,その色調はウズラ卵殻より濃い.
 白色レグホーン卵では,外皮が極めて淡く着色するか,あるいは白色である.自然状態では,前者はクチクラと卵殻に淡い若色を示し,後者では, クチクラは透明に近く,卵殻は白色である. しかし詳細に検査して,両者ともクチクラと卵殻に微量ながら螢光色素の分布がみとめられた.
 3種の卵の卵殻膜には,各卵についての検査では,色素の分布は明らかでない.