広島大学水畜産学部紀要 7巻 1号
1967-07-31 発行

Studies on deep-freezing preservation of chicken semen

鶏精液の凍結保存に関する研究
Watanabe, Moriyuki
本文ファイル
抄録
 鶏精液の凍結保存に関する基礎的研究として凍結用各種希釈液の調整を行ない,融解後の精子活力に及ぼすグリセリン濃度,グリセリン平衡温度および平衡時間,各種凍結法および融解法の影響について検討し,更に引きつづき授精試験を行なった結果は次のごとくである.
1. 凍結用希釈液としてはA 液が精子の活力の維持および生存精子割合に最も効果的であった.
2. 鶏精液の凍結保存においては希釈倍率は低い方が良好であった.
3. 鶏精液の凍結方法については37℃で精液を希釈し, 5℃まで毎分1℃ずつ下げ, 5℃でグリセリンの添加平衡を行ない,更にグリセリン平衡後0℃ まで毎分1℃ずつ下げ, 0℃ からー79℃に急速凍結した第4の方法が,また融解においてはー79℃から5℃に5分間静置して融解しその後
20℃に保持するのの方法が精子の活力維持および生存精子割合に最も効果的であった.
4. 上記の凍結ならびに融解法でグリセリン濃度7%, グリセリン平衡温度5℃で60分間平衡したものが凍結融解後の精子の活力の維持および生存精子割合に最も効果的であった.
5. 鶏精子の融解後の活力と凍結期間との聞には何等著明な差異は認められなかった.
6. 鶏精液の凍結保存期間と受精率との聞には著明な差異は認められなかった.