Ladino cloverの葉身,葉柄中のCarotene含量は生育期の如何にかかわらず常に葉身中にその大部分(凡そ90%程度)がみられ,葉柄中には微量(10%程度)にすぎなかった.花(頭花,花梗)は花奮,開花初期,最盛期或は終期等(Flowering stage)により多少差はあったが葉身に比しCarotene含量は甚だしく少なく,同様にStolon も白色を呈しChlorophyll,Carotene 共に殆んど皆無にひとしい.肉眼的に一見同様と見られるLadino cloverの茎葉比率及びCarotene含量はその生育時期即ちStolon 上の位置により相当差がみられ,Stolon先端上の生育初期の茎棄は基部に近くAgeの進んだものに比し葉身きわめて小さく葉柄細く短かい.この時期の葉身の割合は高く全茎薬重量の35-40 %を占めているが,その成長につれて葉身は大きく葉柄もより太く伸びるが葉身の割合は反対に減少して40cm に達する頃全茎葉の凡そ25%程度であった。
幼時(7.5cm) は葉身未だ開かず葉柄15cm 前後に達する頃半開状となり更らにその生育進み20cmに達する頃完全に開葉する.かかる幼時期(7.5 ~15cm) の葉身は淡緑色を呈し葉柄はその色一層淡く基部は殆んど白色にちかい.かかる葉の形成初期は光,温度等のChlorophyll 生成条件が不十分で未だProto-chlorophyll が完全に変化成熟しない状態にある.従ってChlorophyll が未完成の状態でGrana中に存在する時,常にこれと結合しその普遍的成分である赤樫色色素Carotene も叉少ない.即ち淡緑色を呈する幼葉はChlorophyll,Carotene 共に少ないことが見られた.反対に一定限度内の日照と混度下では漸次その緑色度を増しCarotene 含量も増加して幼時(7.5cm) に比し40cm に達したものは平均凡そ3倍程度Carotene 含量は増加してくる.
以上の実験結果から実際上Ladino clover の利用に際し余りに若い草地の放牧,刈取等は単に収量減にとどまらず栄養的の損失も多く不得策である.最少限その草丈25cm 以上IZ::仲長させ,叉刈取放牧は何れも5-7cm 以下の低刈或は過放牧等はさける必要がある.