広島大学水畜産学部紀要 6巻 1号
1965-12-20 発行

Cytological studies on different effects of sex stimulating hormones on abnormal mature follicles of several mouse-strains

数系統マウスの異常成熟卵胞に及ぼす性腺刺戟ホルモンの感受差について
Nakamura, Tsunenori
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抄録
 哺乳動物の閉鎖卵胞に関する報告は多い.著者は先にマウス卵巣内の成熟分裂過程の排卵不能な異常成熟卵子について研究し,その過程に二つの型のある事を報告した.更にこれ等の異常卵子の出現に性腺刺戟ホノレモンの影響が考えられ,ホノレモン処理による異常卵子の減少を認めた(中村1957 ,1959). 本研究は数系統マウスで実験を行い,ホノレモン処理による異常卵胞の減少の系統による感受差を検討した.
 実験に用いたマウスはS,NC及びKK系の3系統であり,成熟卵巣内の異常卵胞の性腺刺戟ホルモン効果につき実験した. ホルモン処理の結果S及びNC系は成熟分裂過程にある正常成熟卵胞の著しい増加と異常卵胞の減少を認めたが, KK系はその効果低く,感受性の低い傾向が観察された.
 この実験ではマウスの年令,個体差,繁殖率,環境条件等が重要な問題となる.これ等の点は更に検討を要する問題もあるが,マウスは一般に性周期,繁殖率は系統によって差異が有り,S及びNC系はKKと比べて性周期の正しい点,繁殖率良好等の点は実験結果と関連して興味ある点である.