広島大学水畜産学部紀要 5巻 2号
1964-12-20 発行

Antioxidant activity of ethoxyquin and the effect of storage temperature on the stability of carotene in dehydrated alfalfa meal which was treated with exhoxyquin

エトキシキンの抗酸化性およびエトキシキン処理脱水アルファルファミール中のカロチンの安定性におよぼす貯蔵温度の影響
Takasaki, Tetsunosuke
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抄録
 Dehydrated alfalfa meal は乾燥中の栄養の損失が少く特に脂溶性ビタミン類(カロチン,α-トコフエロール,ビタミンK等)の多い製品がえられるが,貯蔵中酸素に最も弱いカロチンはAlfalfa meal が酸素にふれる時間と温度に比例して酸化は増大してくる.故に酸化分解防止の途は低温貯蔵(Cold Storage) ,ガス貯蔵(Inert Gas Storage) および有効な抗酸化剤(Antioxidant) 利用の三点にある.特に最近はAlfalfa meal の野外貯蔵輸送等実際に使用直前まで之等損失を如何に最少限にとどめるかについて多数の抗酸化剤の研究が行われている.これら抗酸化剤中エトキシキン(Ethoxyquin) が1959年2月アメリカにおいて農務省食料薬事局によって認定され, 1961 年この化学製品の一般使用が開始され輸送中のビタミンの損失は大いに抑制された.
 本実験結果は明らかにエトキシキンの効果を示し叉低温貯蔵は更にその効果を倍加することを示している.即ち夏季高室温のもとで1ヶ月間エトキシキン処理および無処理の試料を貯蔵した結果を見ると共にカロチンの損失を生じたが処理した場合の24.60% に対し無処理のものは36.84% の損失となり明らかに抗酸化剤エトキシキンの効果が認められた.
 叉貯蔵温度がエトキシキン処理のカロチン含量におよぽす影響を見ると,貯蔵14 ヶ月後低温貯蔵では当初合量の50.81%を保有し高温貯蔵のサンプルは32.85% に減少して両者聞に17.96% の差を生じた.この事実は例え抗酸化剤添加処理製品でも含有カロチンの保存上低温不変の条件下に貯蔵することの重要性を示している.更に貯蔵期間の延長と共に両者(高,低温貯蔵)何れの場合もカロチン合量は漸減することが見られたが,低温貯蔵では月平均3.5% ,室温(高温)ではこれが4.7% であった.かかる貯蔵温度の相遣により14 ヶ月後のDehydrated a1falfa meal 中のカロチン含量は前者8.37 mg% (63 ,308A(I. U./lb)) ,後者4. 788mg % (32,338A(I.U./1b)) となり両者聞に3.582mg%の甚だしい差が見られた.