広島大学水畜産学部紀要 5巻 2号
1964-12-20 発行

The environmental factors on the lamb growth, analytically studied with extra-seasonal-lambs II : Extra-seasonal-lamb-production by the combined treatment

季節外生産羊を利用しためん羊発育に及ぼす環境要因の分析的研究II : 単日処理とホルモン処理併用法による子羊の季節外生産
Mimura, Ko
Asahida, Yasushi
Morita, Haruka
本文ファイル
抄録
 第1報において筆者らは,非繁殖期のコリデーノレ種雌羊を短日処理すると,長日から短日に変化してからほぼ40~50 日で人工的に発育を誘起できること,しかし第1回の発情では多くの場合妊娠しないこと,しばしば弱い子羊を生産することなどを報告した.
 短日処理によるめん羊の人工発情誘起法は,長期間を要する,管理に手数を要するなどの問題を有するが,反面最近数多く報告されているホノレモン処理法では,高価な薬品を相当量使用する他,その効果が比較的確実でない欠点が指摘される.
 筆者らは,両方法の併用法,すなわち強度の短日処理1週間(以後ホルモン処理終了まで同一日照時間維持)―黄体ホノレモン25mg/ 日x3~5 筋注-2 日後P.M.S. 750 i. u 筋注法の効果を試験した.またこの場合短日処理は,厚い黒頭巾を雌羊の頭に被せ,明るい羊舎内に放置する簡便法によった.
 1959~1961 ,6回に亘り21 頭を試験したが,発情と認められたもの19 頭(90%) ,妊娠―分娩,卵巣所見―黄体・グラーフ卵胞の存在により確実に発情と認められたものは17 頭, 81%に達した.また第6回試験では併用法による4頭をホルモン処理法による3頭と比較したところ,確実に発情したもの前者100% に対し,後者は33%であった.
 黄体ホルモン処理日数を3日に短縮しでも5日間の処理となんら差異を認めなかった.
 強度の短日処理により,下垂体機能の亢進乃至反応閥値の低下など,本併用法による人工発情誘起のメカニズムについても論議した.
 なお処理羊はP.M.S. 筋注後2日目に最も多く発情し, GORDON (1958) の報告と一致した.
内容記述
The authors wish to express grateful thanks to the Ministry of Education for grants in aid and to Mr. M. YosHIOKA, Mr. T. KIMURA, Mr. N. FUJIMOTO, Mr. K. SHIMAKAWA and Mr. K. KoMATSU for the general assistance.
 本報の一部は「三村・岡本他.肉緬羊の研究.輿文社,東京, 1961」 および昭和34年度, 35 年度文部省科学研究費による研究報告集録農学編(II) .肉緬羊造成に関する試験(代表者.三村耕)にそれぞれ速報している.