広島大学水畜産学部紀要 17巻 2号
1978-12-25 発行

河川水中におけるAeromonasの分布

Occurrence and Distribution of Aeromonas in Surface Water and Algae in River
川上 英之
橋本 秀夫
本文ファイル
抄録
太田川水系および小田川水系を選んで生活用水源あるいは内水面漁場としての河川水中におけるAeromonasの分布状況について調査し検討した。その結果,
(1) Aeromonasは表流水中よりもアユなどの餌ともなる苔類にはるかに多く分布していた。
(2) この分布状況は水温に大きく影響され,27℃以上の温度域では試料の80%において1mlあたり10^3以上の菌数が存在し,水温の低下と共に減少する傾向を示した。
(3) この減少傾向は表流水で顕著で,20℃以下では1mlあたり10以下まで減少した。
(4) 分離されたAeromonasの病原性と密接な関係にある溶血能も,やはり水温に影響され,特に29℃以上では病原菌としての可能性を思わせる強い溶血能を持った菌株が60~80%を占めていた。
(5) しかし,水温の低下に伴って溶血能の弱い菌株や非溶血株が増える傾向にあった。